幼なじみは年の差7歳
――……。
「……記憶が、無い?」
驚く麻実ちゃん。
悲しそうな顔の冬馬兄ちゃん。
よくわからないけど、私は事故に遭って病院に運ばれたらしい。
そんな記憶は無いのだけれど。
事故に遭った瞬間、それを遡ること数週間の記憶……それが全く無いみたいなのだ。
「じゃあ今日のことだけじゃなくて最近のことも……」
部屋の隅で話す冬馬兄ちゃんと麻実ちゃん。
「それじゃあ私たちの関係……」
「良明くんと付き合ってすぐのことは覚えているらしい。それ以降は……」
コソコソと話をする二人。
よく聞き取れないけど、私の「何か」についての話だろう。
何がどうなってるのか、わからない。