幼なじみは年の差7歳


「種違いの兄貴が急に現れて、麻実も戸惑ったと思う。
さすがに“お兄ちゃん”とは呼ばれなかったけどね」


種違い。

それでも麻実ちゃんは冬馬兄ちゃんを受け入れたんだ。


「麻実とは月一くらいで会ってた。あの日もそうだったんだよ」


あの日……私が二人を目撃した日。

そして、事故に遭った日。



「もっと早くから話しておけば良かったな」


「ごめん」と言いながら頭を下げるお兄ちゃん。

……そうだよ。


なんで黙ってたの?

教えてくれれば良かったのに、どうして……。


私と麻実ちゃんが出逢ったのは、偶然じゃなかったんだ。



きっかけはお兄ちゃん。

それで私と麻実ちゃんは出逢ったんだ、きっと。
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