幼なじみは年の差7歳
――……。
電話。
『もしもし、良明くん?
俺……冬馬だけどさ、美和と一緒じゃないよね?』
見知らぬ番号からの電話。
「そう言えば冬馬さんの番号知らなかったな」なんて声を聞いて思い出す。
『美和……まだ帰ってないみたいなんだ』
「……マジ?」
時計を確認すると、もう10時過ぎだ。
美和ちゃんは夜遊びするような子じゃない。
それを知っているから両親も冬馬さんも心配しているのだろう。
……俺もそうだ。
『美和……一緒じゃないよね?』
心配する冬馬さんの声は、何て言うか……年上なのに子供っぽい感じに聞こえる。
まるで子供のような……寂しそうな、声。
「あの、俺近くを探してみるから……」
『うん。ありがと……これ俺の携帯だから、見つかったら電話して』
電話を切り、ポケットに放り込む。
逆のポケットには財布を突っ込み、家を出る。
「良明!どこ行くの!」
母親の声が聞こえたが、今はそれどころじゃない。