幼なじみは年の差7歳


微笑む彼女を、私は知っている。


「アイコさん……?」

「ふぅん、私の名前知ってるんだ。
冬馬さんの彼女だもんね、当然か」


アイコさんは微笑んだまま近付いてくる。


その手には、ナイフが……。


「良いナイフでしょ?ほら、良く切れる」


ナイフを私の顔に近づけ、そして――。


……髪の毛がナイフの餌食となる。

簡単に切れていくその様を楽しそうに見ているアイコさん。



「普通じゃない」と誰が見ても思うだろう。


私は、黙ったまま目の前に居るアイコさんを睨みつける。


「コワイ顔。そんなんじゃ男の人に嫌われるよ?」

ぱさっ、と髪の束が落ちる。

整っていた髪はバラバラの長さに切られ、「無惨」という言葉が見事に当て嵌まる。



「あなた……なんなのよ?」


震える声で更に強く睨む。
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