幼なじみは年の差7歳
「私はね、冬馬さんが欲しいだけ」
ナイフを持つアイコさんは私に顔を近づける。
逃げようと思えば逃げられるだろう。
縛られてるわけじゃないし、立とうと思えば立てる。
けれど体は動かなかった。
ナイフと冷たい瞳が私を縛りつける。
「欲しい物は全部手に入れてきた。
このマンションも、ね」
立ち上がり、少し離れた所の椅子に座る。
グラスに入った何かを飲み、言う。
「今度もそう。誰にも私の邪魔はさせない」
倒れる、椅子。
再び近づくアイコさん。
「あなた、邪魔。
冬馬さんと別れて?
そして私の前から消えて」
普通じゃない。
再度そう感じた。