幼なじみは年の差7歳
いつもの優しい声とは違う、私の知らない声。
「良明……あんた、この子の味方なわけ?」
相変わらず二人の力はぶつかり合っている。
良明くんに笑顔は無い。
ただ冷たく、感情なんて無いかのような……氷のような、目。
(これが良明くん……?)
私の知らない、顔。
恐怖すら感じる顔。
「美和ちゃん、少し下がってくれる?」
アイコさんを見つめたまま私に声をかける良明くん。
その声はいつもと同じで、今の表情からは考えられないトーン。
私はなんとか立ち上がり、二人から少しだけ離れる。
「良明、離してよ。
あの子は邪魔なの。あんたならわかるでしょ?」
良明くんは黙ったままだ。
そしてゆっくりと、ナイフの刃を空いてる手で掴む。
「俺は、あの子の味方だよ」
握られた手からじわ、と血が滲む。