幼なじみは年の差7歳
なんで……?
良明くんどうして私なんかを……。
「良明くっ……」
やめて、と言おうとした時、
カラン
とナイフが音を立てて床を滑る。
血に染まったナイフ。
ぽた、と良明くんの手から血が落ちる音を聞いた。
「俺は大丈夫。冬馬さんを呼んで?」
携帯を渡される。
片手はまだアイコさんの腕を掴んだままだ。
必然的に携帯には血がつく。
頭がクラクラする。
目の前に血を流す良明くんが居る。
私はショックが隠しきれず、固まっていた。
そんな私に良明くんはニコ、と微笑んだ。
「大丈夫だから。
電話して?住所は……――」
震えが止まらない。
けれど、電話しなくちゃいけない。
「大丈夫だから」
良明くんの声が、遠くに聞こえた。