幼なじみは年の差7歳
「美和、平気?どこも怪我してない?
やられたのは髪の毛だけ?」
髪を切ってもらってる傍らで麻実ちゃんが心配している。
「大丈夫。良明くんが来てくれたから……」
間一髪、だったと思う。
アイコさんは私を刺そうとしてた。
脅しとか、フリなんかじゃなくて本気でナイフを……。
思い出せば体が震える。
「……良明は、あの人と付き合ったことがあるんだって。
よくここに泊まりに来てたみたい。
だからここに来たんだって」
麻実ちゃんは苦笑している。
良明くんとアイコさんが付き合っていた。
私としてはそのおかげで助かったけど、
良明くんを好きな麻実ちゃんからしたら複雑な思いだろう。
「多分もう大丈夫だから。
良明がなんとかしてくれると思う」
その表情はどこか寂しげだ。
麻実ちゃんは小さく笑い、私の手を握る。
「無事で良かった」