幼なじみは年の差7歳
キライ


――……。


……まさか先輩がこんなことするなんて。

動揺しっぱなしだ。


先輩が居る部屋へ一人向かう。


ベッドに座った先輩は睨むように俺を見る。


その隣に俺が座ると、今度は寂しそうな目。


「どうしたのさ?先輩、こんなことする人じゃないっしょ?」


確かにわがままで自分勝手なお嬢様だけど、

誘拐とか、拉致とかナイフで切りかかるとか……そんなのする人じゃない。


「好きだから。あの人の愛が欲しかったの」


あの人、って冬馬さんのことか。


会って数日と聞いていたのに、先輩は本気で好きになっていたんだ。



「なんで私じゃないの?
なんであの子なの?

私……私の方が、邪魔……?」


とめどなく流れる涙。


俺はそっと先輩を抱き締める。


幸せになりたい。

きっとそれは誰もが思うこと。



「俺が傍に居るよ」
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