幼なじみは年の差7歳


抱き締めてしまった。

キスしてしまった。


そしてまた、強く抱き締めた。



お互いの息遣いは荒く、ただ無言で見つめ合う。

「……ごめん」


それしか言えない俺に、麻実は笑った。



「私、あんたのことキライだから。
アイコさんと頑張ってね。今度は別れちゃダメだよ?」


……いつもの麻実だ。


いつもサバサバしてて、俺のことなんて虫けらのように見る麻実。


強がり。

無理して笑ってる。

それがわかった。


「……無理すんな。俺、お前のこと好きだから」
今はまだ、傍に居られないだけ……。


どうしたらいいんだろうな、俺。


麻実が好きなのに、

先輩を放っておけない。


泣き出し、抱き付いてくる麻実を俺は静かに見つめていた。
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