幼なじみは年の差7歳
「……なんで割り勘なんだよ」
「や、高かったし……悪いじゃん」
「女に払わせる男がどこに居んだよ」
そんなことを言い合いながらホテルを出た。
……結局割り勘。
だけど麻実のポケットに払わせてしまった分を入れておく。
こーゆうのは女に払わせるもんじゃない。
俺のポリシーだ。
……手元にほとんど現金は残ってないけど。
「襲われるかなーって思ったんだけど、しなかったね、セックス」
麻実はどこか遠くを見て言う。
「なんだ。お前がその気ならいつでも」
「さっきの取り消し!馬鹿!」
……自分で話を振ったくせに。
でも、もうこうやって話すこともなくなるのかな。
先輩の傍に居ると決めたから、もう麻実とは……。
「お前さ、俺のこと好き?」
俺の言葉に、あいつは笑う。
「キライ。さっさとアイコさんのとこ行けば?」
素直じゃないな、お互い。
「俺も、お前のことキライ。
だから少し離れとくよ」
麻実は笑う。
キライって言葉は、スキの反対。
スキだから、キライって言う。
そう思った。