幼なじみは年の差7歳
別れ


……数日後。


冬馬兄ちゃんは行ってしまった。

責任取る、って言ってたのに。


長い年月、私たちは離れることになる。



「元気で」と笑う冬馬兄ちゃんは、いつもと変わらない顔だった。


「離れるしかなかったのかな?
冬馬さんと美和、離れても上手く行くと思ってたのに」


一番寂しそうな顔をしてたのは麻実ちゃん。

冬馬兄ちゃんが行っちゃうからじゃなくて、
私と冬馬兄ちゃんが別れたことがショックだったみたい。


「仕方ないよ。迷惑かけたくないし」


私は笑っていた。

確かに寂しいのはあるけれど、なぜだか涙は出なかった。


みんな笑って「ばいばい」を言っていたから、私も笑っていられたのかもしれない。



「バイバイ、冬馬兄ちゃん」


小さく言い、飛行機を見送った。
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