幼なじみは年の差7歳
変わらない景色
――……冬馬兄ちゃん。
年に一度も帰ってこない、冬馬兄ちゃん。
冬馬兄ちゃんの決意。そして私の決意。
「もう会わない方がいい」とお互いに思っただから離れた。
会うことはしなかった。
会ってしまえば、「好き」が止められなくなるのを知っていたから……。
「麻実ちゃん、おめでとう」
真っ白なドレスに包まれ、いつもより優しい笑顔を見せる麻実ちゃんに私も自然と微笑んでいた。
……あれから5年。
麻実ちゃんから「結婚する」と聞いたのは数カ月前。
あの時も優しい顔していたな、なんて思い出す。
「良明くんは?」
「さぁ。どこ行ってるんだか」
少し呆れたような、でも怒りなどない顔。
「まぁそーゆー奴だから」
言ってまた笑う。
「じゃあ私、会場に戻るね」
「ん、あとでね」
親友に声をかけ、部屋を出る。