幼なじみは年の差7歳
――……。
何も変わらない。
俺がこの街を出たあの日から、ここは変わっていない。
親父は……相変わらず居ない。
働いてばかりの父親を見て育ってきて、「もう無理することないよ」と話したことがあった。
仕事を始めて2、3年経った時だっただろうか。
給料は安かった。でも「俺が居るから」「大丈夫だから」と親父に言った。
今まで育ててくれた父親にやっと恩返しが出来る。そう思った。
けど親父は相変わらず仕事ばかりして、お互い仕事が忙しくてあまり話もしなくなって。
一人になり、親父は寂しかったかな?
……今までも一人暮らしのような感じだったから、気にしてないかな。
メールをすれば「大丈夫だ」と返事をし、電話をすれば「忙しいんだ」とすぐ切る親父。
「話があるから早めに帰って来て」とメールしたのは、昨日のことだ。