幼なじみは年の差7歳


「公園行こっか」


泣きじゃくる私をなだめ、手を握る。


「話したいことがあったから、居なくならないよ」

優しい笑顔(かお)。


私の知ってる冬馬兄ちゃんと何一つ変わってない。


私に合わせてゆっくりと歩く冬馬兄ちゃんの横で涙を拭う。




私に、話したいこと。

それをしっかり聞かなくちゃ。



「あー……服着替える?」


問われ、自分の服装を思い出す。


麻実ちゃんの結婚式に出た時の格好のまま冬馬兄ちゃんの家に走って、そして泣いてしまった。


今、私はドレスのまま歩いている。



「大丈夫。離れたくないし」

「……居なくならないって」


「傍に居たいの!」



冬馬兄ちゃんの腕にしがみつき、離れないようにとした。



離れたくない。

一分一秒でも長く一緒に居たい。



「美和、綺麗になったな」



突然言われ、ただ驚くことしか出来ない。

冬馬兄ちゃん、そんなこと言う人だっけ?
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