幼なじみは年の差7歳
――……。
「おかえり、美和」
優しい顔。
いつもと同じ冬馬兄ちゃん。
「おじさんはまだ……だよね?」
「あぁ。いつも通り遅めの帰宅になるみたいだね。
なんかあったの?」
冬馬兄ちゃんの家は、父子家庭。
私が生まれる前に離婚したらしい。
だから私は冬馬兄ちゃんのお母さんの顔は知らない。
おじさんとは仲良くやってるけど。
そのおじさんは毎日仕事で帰りが遅い。
「ちょっと冬馬兄ちゃんの顔が見たかっただけ」
理由なんてない。冬馬兄ちゃんにはそう言った。
「そっか?美和は何かあると必ず俺のとこに来てたけどなぁ?」
探るように言葉をかける冬馬兄ちゃん。
……鋭い。と言うか、年齢の差?
私がわかりやすい人間なだけかな?
「ほんとになんでもないってば!」
でも今日は言わない。
「何かあった」としても、今日は言わないよ。
「彼氏でも出来た?」
「へっ?」
なんで……――。