幼なじみは年の差7歳



冬馬兄ちゃんの家のソファに座り、クッションを抱き締める。


麻実ちゃんと話さなくなって2週間。


心にぽっかりと穴が空いた状態と言うんだろうか、胸の辺りがスースーしている。


「最近麻実ちゃんと一緒じゃないんだな」

コーヒーを差し出す冬馬兄ちゃんに返事はせず、ただカップを受け取る。


「で?彼氏はどうしたの。
何があったかは知らないけど、そうゆう顔は彼氏に見せろって」



……どうゆう顔?

よくワカンナイ。



「良明くんは忙しいんだって」


ズズ、と熱いコーヒーを口に運ぶ。

少し甘めだ。そういえば冬馬兄ちゃん、甘いコーヒー好きだったなぁ。


「どうせ俺は暇人だよ」なんて笑ってる冬馬兄ちゃん。



ほっとする笑顔。

なんか久しぶりに冬馬兄ちゃんと話してる感じがする。


「……お兄ちゃんってさー彼女作らないの?」


そういえば冬馬兄ちゃんが彼女連れてるのって見たことない。

私が知らないだけかもしれないけど……。


「なんだよ急に」


「んーちょっと気になっただけ」



冬馬兄ちゃんは困ったような顔してる。

そして言った言葉は――。
< 32 / 231 >

この作品をシェア

pagetop