幼なじみは年の差7歳
「あのさ、お兄ちゃん」
この話はもう終わり。
これ以上考えたって、私が落ち込むだけだ。
それに今は良明くんが居る。
「もうすぐ良明くんの誕生日なんだけど、プレゼント買うの付き合ってくれない?
男の子の好きなものってよくわかんなくて」
来週の水曜日は良明くんの誕生日。
それなのにまだ何をあげようか考えてる。
恋人にプレゼントをあげるなんて、今まで無かったからなぁ……。
冬馬兄ちゃんにはいつもテキトーにあげてたけど。
「本人に聞けば?それに俺、良明くんって会ったことないし」
「でも男の子が好きそうな物くらいわかるでしょー?
ね、お兄ちゃんお願い!一生のお願い!」
「何度目の“一生のお願い”だ?」と呟いているのは無視して、お願いし続ける。
身近な男性ってお父さん以外は冬馬兄ちゃんしか居ない。
私はお願いを続ける。
「まぁいいけどさ、俺7つも上だぞ?好みが合わなくても知らないからな」
「やった!来てくれるだけで嬉しいよーありがとう!」
「全く、調子いい奴だなぁ」
苦笑している冬馬兄ちゃんに、私は満面の笑みを返した。