幼なじみは年の差7歳


「俺は、何貰っても嬉しいよ」

……。

「そんなもんなの?」

何貰っても嬉しい、か。

だからってなんでもいいってわけにもいかないよ、ねぇ……。


「みんなそんなもんじゃない?
気持ちがこもってればそれだけで嬉しいと思うよ。
例えそれが“孫の手”だったとしてもね」


孫の手?


なんでニヤニヤしてんの?


……。


あっ……!!


「ちょっ、孫の手は修学旅行のお土産で!プレゼントとは違うでしょ!」

今思い出した。

中学の修学旅行、私が冬馬兄ちゃんに買って帰ったお土産……孫の手だった。


なんでそんなもの買って帰ったかは覚えてないけど……。


「そっか?そうなるのかぁ……でも俺は嬉しかったけどね」


さっきのニヤニヤとは違う笑顔。

優しくて、私の好きな笑顔。


「……よく、覚えてたね。お土産のこと」


買った私は忘れてた物、それを冬馬兄ちゃんは覚えてた。


「そりゃあ、あんな変なの貰ったことないからねぇ。
俺はおじさんか!とか突っ込んだのも覚えてるよ」


昔を思い出し、懐かしそうにしてる。


中学。
私が冬馬兄ちゃんに告白したのも中学の時。
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