幼なじみは年の差7歳


冬馬兄ちゃんと一緒に腕時計を選び、店員さんに可愛い袋に入れてもらった。


手頃な値段で、あまり派手じゃないもの。


良明くん、喜んでくれたらいいな。



「さて、これからどうします?お姫さん」


時間は午後2時。

冬馬兄ちゃんは優しく手を差し出している。



「そうねぇじゃあ冬馬兄ちゃんに色々買ってもらおうかなー」


「お姫さん」に対しての私の返事だ。

こんなやり取りは、昔からやっていること。


どちらももう慣れっこだ。


「全く、すーぐ調子乗るんだから」


「えー先に聞いてきたのはそっちでしょー?」



なんて言い合いながら街を歩く。




「あっ……」


背後からそんな声がしたのは、歩き始めてすぐだった。



聞き覚えのある声に、私は振り返る。
< 40 / 231 >

この作品をシェア

pagetop