幼なじみは年の差7歳
冬馬兄ちゃんと一緒に腕時計を選び、店員さんに可愛い袋に入れてもらった。
手頃な値段で、あまり派手じゃないもの。
良明くん、喜んでくれたらいいな。
「さて、これからどうします?お姫さん」
時間は午後2時。
冬馬兄ちゃんは優しく手を差し出している。
「そうねぇじゃあ冬馬兄ちゃんに色々買ってもらおうかなー」
「お姫さん」に対しての私の返事だ。
こんなやり取りは、昔からやっていること。
どちらももう慣れっこだ。
「全く、すーぐ調子乗るんだから」
「えー先に聞いてきたのはそっちでしょー?」
なんて言い合いながら街を歩く。
「あっ……」
背後からそんな声がしたのは、歩き始めてすぐだった。
聞き覚えのある声に、私は振り返る。