幼なじみは年の差7歳
良明くんは振り返らず人混みの中へと消えていった。
私は良明くんのことをいつまでも見ていた。
見えなくなってもずっと視線はそのままに。
「……帰る?」
どこか申し訳なさそうに聞く冬馬兄ちゃんに、私は頷いた。
服から手を離し、今度は冬馬兄ちゃんの手を握る。
恐い。
これから先どうなるのか、恐かった。
「ごめん」
……なんで謝るの?
冬馬兄ちゃんは何も関係ないのに……。
冬馬兄ちゃんの手は、なぜだかとても熱くなっていた。
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