幼なじみは年の差7歳
……何やってんだろ私。
なんでイライラしちゃうんだろ。
ほんとは毎日学校まで送ってくれるお兄ちゃんに感謝しなくちゃいけないのに。
車内に残された私は用も無いのに携帯をいじる。
これはもう「癖」だ。
時間があればとりあえず携帯を開く。
変化の無い日常に無理矢理にでも「何か」を見つけようと、探そうとしているのかもしれない。
それから少しして、ドアの開く音。
戻ってきたお兄ちゃんはコンビニの袋を私に預ける。
「ほら、持ってけば」
袋の中には、おにぎりと飲み物が入っている。
もしかして私のために……?
「朝は何か食った方がいいよ?な?」
優しい笑顔。
私の好きな笑顔。
多分子供を見るような目で私を見ているんだろうけど、
でも好き。
この笑顔が見られるなら私、子供扱いされててもいいかも。
そんなことを思ってしまう。
「ありがと」
私は素直に袋を受け取り、冬馬兄ちゃんに笑顔を見せる。