幼なじみは年の差7歳
昇降口で靴を履き替え、学校を出る。
部活動をやっていた生徒ももうほとんど居ないようだ。
「あれっ……?」
冬馬兄ちゃんの、車――。
「冬馬兄ちゃん!!」
駆け寄る私にお兄ちゃんは笑みを浮かべる。
「おばさんに聞いたらまだ帰ってないって言うから、もしかしたらまだ学校かなと思って」
お兄ちゃんはずっと私のこと、待っててくれた……。
「馬鹿……学校出て、家に向かってる途中だったらどうすんの?」
学校に居るなんてわからなかったはず。
寄り道して家に帰るかもしれないのに。
それなのに、待っててくれたんだ。
「お前の通りそうな道は全部見て回ったよ。
それでも見つからなかったから待ってた。
例え美和が学校に居なくても、美和が帰ったと知らせが来るまでは待ってるつもりだったよ」
……やっぱり、馬鹿。
なんでそんなに優しいのよ。
ただの幼なじみで、それ以上は何もないのに。
なんで優しくするの。
我慢してたのに。
……涙が止まらなくなっちゃうよ。
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