幼なじみは年の差7歳
家に着くまでの道のり、私たちはほとんど無言でいた。
流れるラジオだけが陽気な声と音楽を奏でている。
「一回家に戻ってから来な?おばさん心配してたから。
ご飯は俺が奢っちゃる」
信号に引っ掛かった時にこちらを見たお兄ちゃんが笑った。
いつもと同じ。
でも、もしかして私を気遣っての笑顔かもしれない。
そうだとしても私は嬉しい。
今日のことを話さなくて済む。
家に着いたらお兄ちゃんに話すだろうけど……。
少なくても、家族に泣き顔を見られることはない。
冬馬兄ちゃんにつられ、私はいつの間にか笑顔を取り戻していた。