幼なじみは年の差7歳


冬馬兄ちゃんの家に行くと、もうご飯の準備をしていた。


「何作るの?」

「カレー。少し時間かかるけどいいだろ?」

「うん。帰るの少し遅くても大丈夫だから」


と言うか、私が帰らない方がお父さんもお母さんも喜ぶかも。


お兄ちゃんは手際良く野菜を切っている。


「なんか手伝う?」

「んー?大丈夫だよ。座っとき?」


そう言われても、一人じゃすることもないし。

お兄ちゃんと一緒に動いてる方がいい。


その方が色々忘れられるし……。


「麻実ちゃんに連絡は?」

「あっそうか、忘れてた。じゃあちょっとメールしてくる。
その後に手伝うから」

「はいはい」


ポケットからケータイを取り出し、メールを打つ。


良明くんとのことを思い出すと少し胸が苦しくなるけれど、報告しないわけにはいかない。

心配してくれてた麻実ちゃんにこれ以上心配はかけたくない。


とにかく明るく、心配かけないようにとメールする。


何通かメールを交わし、一段落した時にキッチンに戻る。


「野菜に火が通るまで休憩!」

お兄ちゃんは冷蔵庫を開け、ビールを取り出した。
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