幼なじみは年の差7歳


「ほら、だから座っとき?って言っただろ?
俺に任せときゃいいんだから」


お兄ちゃんはほんと、手際が良い。

私は手を出さずに見てるのが一番良いのかも……なんて考えてしまう。

「美和ってマリネとか食べれるんだっけ?」



……マリネ?


食べられないことはないけど。


「昨日帰ってからさ、暇だったから作ったんだ。
親父には好評だったんだけど」


冷蔵庫からタッパーを取り出す。

そのままドン、とテーブルに置く。


少しだけ酸っぱいニオイが漂う。



テーブルに出されたそれは、タッパーに入ったままだけどとても美味しそうに漬かっている。


「お兄ちゃんってなんでも作れるんだねぇ……」

「まぁ……自分でやらなきゃダメだったからね、昔から」

そうだった。お兄ちゃんの家は父子家庭。


小さい時からずっと自分でやってきたんだ。


私なんていまだにご飯はお母さんに作ってもらってる。

部屋の掃除とか洗濯なんかはさすがに自分でするようになったけど。


「お兄ちゃんと結婚した人は、幸せになれそうだね」


料理が上手い人と一緒に暮らしたら、絶対幸せだもん。
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