幼なじみは年の差7歳
接し方
あれから数日。
冬馬兄ちゃんを避け気味に生活していた。
冬馬兄ちゃんは前と同じで凄く優しいのに、私一人恥ずかしくて目も合わせられずに居る。
朝、学校に行くのに送ってやるよと言われても、大丈夫だからと首を横に振った。
二人きりになんてなれない。
あの日のこと、抱き締められたことを思い出しちゃうから……。
「美和、聞いてる?」
「へっ?」
麻実ちゃんがため息をつく。
私冬馬兄ちゃんのこと考えてた。
目の前に冬馬兄ちゃんは居ないのにそのことばっかり……頭から離れない。
「まったく、何考えてたの?良明が来てるよ?」
「えっ?あっ……」
廊下に立つ良明くんが苦笑気味に手を振っている。
……あの日のことを思い出す。
私にとってイヤな日、もう思い出したくないあの日を思い出させるその人は、
「ちょっといい?」と声をかけてきた。