幼なじみは年の差7歳
屋上へと続く階段。
無言で歩く私たち。
屋上の入口前、踊り場で足を止める。
振り返った良明くんは私に言う。
「ごめん」と。
「あの時、美和ちゃんの気持ち考えないで言ってごめん。
俺、すっげー最悪なことしたのに美和ちゃんに八つ当たりするような感じになっちゃって……」
「……私もごめん」
私の方こそ謝らなくちゃいけない。
私だって最悪なことした。
良明くんを傷つけた。
謝らなくちゃいけないのは、私だ。
「普通はイヤだよね、好きな人が他の人と楽しそうに話してたらさ。
なのに私、自分の気持ちばっかりぶつけて、泣いて……ほんとにごめん」
笑顔で話せる。
良明くんのことを私はもう許している。
もう過去のことだ。
「美和ちゃん、俺……」
「え?」
一瞬の出来事だった。
ぎゅっと良明くんに抱き締められ、私は動けずに居た。
「やり直したいんだ。美和ちゃんの傍に居たいんだ」