幼なじみは年の差7歳


――……。


「ちゃんと謝ること出来たんだ。
よかったじゃん」


「うん。良明くん、ちゃんとわかってくれたみたいだから……」


麻実ちゃんに話すと、「よかったね」と言ってくれた。

それを聞いてようやくホッと出来た気がする。


踊り場で「やり直したい」と言った良明くんを私はフッた。


良明くんの心に傷をつけてしまったことが、どうしても頭から離れなかった。


「無理しちゃダメ」と頭でわかっていても、やっぱり良明くんを傷つけて、心が苦しかった。


必死に気持ちを伝えてくれた良明くん。

ごめんとしか言えない自分。


本当にこれでよかったのか?

そう悩んでしまう。


誰かに「よかったんだよ」と言ってもらいたい。
それだけなのかもしれないが。



「あ、ねぇ麻実ちゃん!明日暇?買い物付き合ってもらいたいんだけどーダメかな?」


明日は土曜日。

冬馬兄ちゃんとギクシャクした感じになってる今だけど、この前の食事のお礼に何かをあげようと考えていた。


新しく踏み出す第一歩。

冬馬兄ちゃんと話すきっかけとなる物を買おうと考えていた。



「あー明日はダメ!先約があるんだ」
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