幼なじみは年の差7歳
「ノックしたんだけど返事なかったからさ、勝手に入っちゃった」
上半身を起こすと、その隣に冬馬兄ちゃんが座る。
「……今日、出掛けてたんじゃないの?」
そうだよ。麻実ちゃんと一緒だった。
なのになんで今ここに居るの?
「出掛けてたけど、もう済んだから帰ってきた。それだけだよ」
麻実ちゃんのことは言わない。当然か。
私に黙って付き合ってるんだもん、言えないよね。
「これお土産。渡す為に来たんだ」
可愛いケータイストラップ。
届けに来てくれたんだ。
私なんかの為に。
最近ずっと、話してなかったのに。
「なんで……?」
震えが止まらない。
そして涙も。
そんな私を見て、驚く冬馬兄ちゃん。
「どうした?俺なんかした?」
優しい声を聞きながら私は冬馬兄ちゃんに言った。
「なんで付き合ってもいない私に優しくするの……?」