幼なじみは年の差7歳
時間が止まったような、そんな感覚だ。
けれど溢れる涙は止まらなくて、時間の流れを感じさせる。
「俺は、美和が好きだよ」
冬馬兄ちゃんの声はやっぱり優しくて、私を抱き締めたまま続ける。
「幼なじみで終わらせる気はないよ」
……嘘つき。
昔私をフッたくせに。
それに麻実ちゃんはどうなるの?
麻実ちゃんと付き合ってるんでしょ?
そんな嘘、麻実ちゃんが可哀相だよ……。
その場凌ぎの嘘なんて、要らないよ……。
「帰るよ」
私を解放した冬馬兄ちゃんは立ち上がり、何も言わずに行ってしまった。