私と兄の関係
ああ、イライラする。

授業中でもあまり集中出来なかった。

でも、俺はちゃんとノートを取った。

早く授業、終われよ。

俺は、ずっと心の中で思っていた。

肘を突きながらシャーペンを回す。

シャーペンを回してると落ち着くから。

「おい、白井」

数学の先生が俺を睨みつけた。

「何ですか?」

俺は、いつもより声を低く言った。

「何ですかじゃないだろ。お前、だらしないぞ。肘をついてシャーペンを回すとか。そんなに俺の授業がつまんないのか? つまいんなら出てもいいんだぞ。とにかく真島を見習えよ」

先生が言った。

ああ、つまんねぇよ。

何ですぐ雅人を見習えとか言うんだよ。

由梨だってそう言うし……

雅人雅人ってうるせぇんだよ。

本当にイラ立つ。

ドカッ

俺は、あまりの怒りで机を蹴った。

「こらっ、白井!机を蹴るとか何様だ。早く出て行け」

先生が怒鳴る。

「言われなくても出るよ」

俺は、その一言を残して教室を出て行った。

授業をサボったといえ、どこに行きゃいいんだよ。

そっか。

どうせ陽介もサボってるだろうし、陽介の所に行けばいっか。

「よっ!健斗。また、サボったんだな。どうしたか?」

陽介は、そう言ってタバコに火を吹かした。

陽介ってタバコ吸ってたけ?

今は、そんな事はどうでもいい。

とにかく陽介に聞いて欲しい事があるから。
< 114 / 240 >

この作品をシェア

pagetop