私と兄の関係
なぁ、陽介。

お前は、いつだって自分の事より俺の事を心配してくれたよな。

だけど、陽介は自分の事をあまり話さないよな。

だから俺に気を遣わず俺に話してくれよ。

俺もいつだって聞いてやるし、励ましてやるから。

「なぁ、陽介。お前は、悩みないのか? あるなら言えよ。いつも俺ばっか聞いてもらってるし……」

俺がそう言うと陽介は、「別に俺、悩みなんかないし」と言った。

なぁ、本当に悩みないのか。

陽介は、いつだって自分の事より他人ばっか気にしてる。

俺じゃ言えないのか。

それとも言えない悩みなのか。

今は、聞かない方がいいよな。

「そっか。まぁ、悩みがあれば言えよ。俺は、いつでも聞くし。それより、お前と居ると気持ちが明るくなるな。何でか知らないけど」

「おお、その時は頼むな。そうなのか? 俺も健斗と居ると気持ちが明るくなるな。まぁ、俺の名前は、陽介だからな」

陽介は、笑いながら言った。

「陽介もか。何か俺等って本当に気合うし、似てるよな」

俺がそう言うと陽介は、「そうかもな」と笑いながら言った。

「そう言えばさ、陽介いつからタバコ吸い始めたんだよ? ってか俺等、まだ未成年だぞ。担任とかに見つかったらヤバイんじゃねぇ?」

「まぁ、最近な。俺、他にもツレいっぱい居るしな。そいつ等の影響受けてな。まぁ、バレなきゃ大丈夫だろ?」

陽介が言った。

おいおい、バレなきゃいいって言うのは、ないだろ。

それにタバコって体にも悪いし、心配するし……

「なぁ、陽介。こんな事、言うのどうかと思うけどさタバコ吸うのやめたら? 体にも悪いし、俺心配だし」

俺がそう言うと陽介は、「そんな心配せんでも大丈夫。そんなに吸わねぇから。まぁ、うまく行かない時しかな」と言った。

まぁ、それならいいけど。

「でも、あまり吸いすぎたら俺言うからな」

「分かってるよ。チクられたら困るしな」

陽介は、そう言ってゴミ箱にタバコを捨てた。

「じゃあ、俺そろそろ戻るな」

「おう。また、イライラした時来いよ」

「おお」

俺は、そう言って教室に戻った。
< 116 / 240 >

この作品をシェア

pagetop