私と兄の関係
「雅人、先に帰ったんじゃないのかよ?」

俺は、言った。

「いや、担任にひどい事されてないか心配だったもんだから」

やっぱり俺の事、心配してくれたんだ。

雅人は、優しいな。

俺が雅人に冷たくした時もあったのに……

「大丈夫。それより心配してくれてありがとな」

「おう」

俺と雅人は、帰った。

ガチャ

「お兄ちゃん、ちょっといい? 話があるの」

由梨が俺の部屋に入って来た。

「おう」

「あのね、私お兄ちゃんにどう接すればいいか分かんなくてね避けてたの。ごめんね……もうあんな事しないから許してくれる?」

由梨が言った。

そうゆう事だったんだな。

陽介が言ってた言葉は。

「俺の事、嫌いじゃない?」

俺がそう言うと由梨は、「嫌いなわけないじゃん。むしろ好き」と言った。

俺の事、嫌いじゃなかったんだ。

ただ、気まずいから?

よかった……

「そっかぁ。よかった……ただし、もう俺の事避けるのは禁止だからな」

「うん」

由梨が言った。

「そう言えば、由梨は雅人に告白しないのか?」

気づいたら俺は、こんな事聞いてた。

由梨は、少し間を開けて言った。

「うん、そうだね」

その表情は、まるで悲しそうだった。

何でそんな表情するんだよ?

雅人の事が好きなんだろ?

俺は、由梨の本当の気持ちに気づかなかった。



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