私と兄の関係
「ありがとうございます」

私は、そう言って後ろに並んだ。

「次、宇野さん」

「はい」

宇野さんも結構早いんだよねぇ。

宇野さんとは、幼稚園の時からずっと一緒である意味私とライバルだったかも。

今は、違うクラスだけど……

私は、宇野さんには絶対負けたくない。

「宇野さん、白井さんよりすごいわー。6.2秒だなんて」

先生が宇野さんに誉めていた。

えっ……?

何で?

前は、宇野さんの方が私より遅かったのに……

悔しい……

宇野さんより0.3秒負けた……

てっきり私の方が上かと思った。

なのに私の方が下だった。

白井さんに負けてショックだった……

「あら、白井さん。私、白井さんより抜かしたわよ。しかも、0.3秒差でね。悔しいでしょ? ねぇ、私と勝負しない? 運動会の日、私と白井さん一緒に走るでしょ? その時、どっちが早いか。それで負けた方は、罰ゲームしない? 私、ライバル居ると燃えるのよ。白井さんもそうでしょ?」

隣に座ってる宇野さんが言った。

本当に悔しい……

0.3秒も違うなんて……

確かにライバルが居る方が燃える……

「その勝負やる。罰ゲームは、何するかは勝った人が決めていいんでしょ?」

私がそう言うと宇野さんは、「そうよ。勝った人が決める事にしましょ。私が勝ったら私に土下座するのよ。“参りました”ってね。まぁ、私似土下座したくなかったら私似勝つのね。白井さんが私より勝ったら土下座でも何でもするわ」と言った。

負けたら宇野さんに土下座?

確かに土下座するのは、嫌だ……

負けて惨めだから。

私が勝ったら何でもしてくれるんだ。

だったら絶対宇野さんに勝って見せる。


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