私と兄の関係
「由梨、あれしようぜ」

お兄ちゃんが指したのは、野球。

無理無理。

だって私、一度もバット振った事ないもん。

それにボールが速くてちょっと怖い……

「無理無理」

私は、言った。

「俺が一度見本見せてやるから見ててな」

お兄ちゃんは、そう言って中に入ってお金を入れてした。

カキーン

お兄ちゃんが打ってた。

すごっ。

あんな速い球を軽く打つなんて。

私には、とても出来ないよ……

カキーン

お兄ちゃんは、次々どんどん打っていった。

本当にすごい。

私は、ずっと関心して見てた。

26球打ち終えてお兄ちゃんが出て来た。

「由梨、どうだった?」

「すごかった!!どうしてあんな速い球なのに軽く打てるの」

私は、即答で言った。

「まぁ、俺野球好きだしな。それに結構雅人とバッティングセンターに行ってたからな」

お兄ちゃん、野球好きなんだ。

あれだけうまかったら絶対野球部に入れるのに何で剣道部に入ったのかな?

野球部に入ったらいいのに……

お兄ちゃんってよくバッティングセンターに行くんだ。

「お兄ちゃん、野球部に入ったらいいのに……」

私がそう言うとお兄ちゃんは、「そうかもな。でも、俺基本的に何でも出来るから」と言った。

「自意識過剰だね」

私は、笑いながら言った。

「じゃあ、次由梨の番。俺も入るから由梨も中に入って。最初だけ教えてあげるから。由梨は、70キロでいいよな?」

「うん」

私とお兄ちゃんは、中に入った。

私は、ヘルメットを被ってバットを持った。

「じゃあ、まずボールをよく見て打つ感覚を覚える。自分の感覚があると思うからそれをよく頭に入れといて。それでボールが来たら力強く打つ」

お兄ちゃんがそう言って私のバットを持った。

何か近い……

近くて緊張する……

ボールが来た。

カキーン

打てた。

お兄ちゃんがサポートしてくれたからだよね。

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