私と兄の関係
バッティングセンターから出た。

「お兄ちゃん、バッティングセンター楽しかったね」

私は、言った。

「おう。また、行こうな。じゃあ、最後のもう1つ連れて行きたい所あるからそこに行って帰ろうな」

「うん」

私は、またお兄ちゃんの後ろに乗った。

また、静かにお兄ちゃんは、自転車を漕ぎ出した。

私は、お兄ちゃんの背中にもたれて顔を埋めた。

「由梨……」

お兄ちゃんが後ろを振り返った。

「お兄ちゃん、危ないから前を向いて」

「うん……」

数十分後―

「由梨、着いたよ」

お兄ちゃんが言った。

私は、自転車から降りた。

すると綺麗な景色が見える所だった。

「お兄ちゃん、すごい綺麗だね」

私は、張り切って言った。

「綺麗だよな。絶対由梨が喜ぶと思って連れて来たかったんだ。だから連れて来てよかったよ」

お兄ちゃんが言った。

私が喜ぶと思って?

お兄ちゃん、すごく嬉しいよ。

ねぇ、お兄ちゃん。

私、妹でよかったと思うよ。

だって彼女だったらいつか別れが来るかもしれないから……

お兄ちゃんの彼女で居れないなら妹の方がまだ、いいんだ……

でも、本当はお兄ちゃんの“彼女”になりたい。

お兄ちゃんの1番になりたい。

でも、無理なんだろうなぁ。

お兄ちゃんの好きは、多分妹としてだよね?

1番じゃなくていいから2番になりたい。

そう思ったらいけないのかな?

< 130 / 240 >

この作品をシェア

pagetop