私と兄の関係
「健斗、たこ焼き屋じゃなくてホストだったからガッカリしてるんだろ? 」

雅人が言った。

「おう。だってさ、ホスト何かさ指名されなかったやつが可愛そうじゃん。俺だって指名されなかったら楽しくもないし、暇なだけだし。雅人は、絶対指名されるからいいよな」

俺がそう言うと雅人は、「確かにそうだよな。指名されなかったやつは、注文されたのを作るんじゃないか? それに健斗は、絶対指名されるから安心しろよ。俺だって指名されるかどうかも分からないよ」と言った。

ああ、なるほど。

でも、俺料理苦手だし……

俺が絶対指名される?

そんなのありえねぇ。

それに雅人は、背も高いし、顔もいいし、優しいから絶対指名されるに決まってる。

なのに雅人は、自慢げに言わない。

雅人のそこがいい。

俺も雅人を見習わないとな。

「ああ、なるほど。でも、俺絶対指名されるかどうかは分からないよ。それに雅人は、絶対指名されるから自信持てよ」

俺は、言った。

「いや、指名されるって。健斗も自信持てよ」

「それより話、変るけどさ雅人文化祭に由梨に告白するんだろ? 由梨にちゃんと言ったか? 」

「いや、まだ言ってない。当日、言うつもりだから」

雅人が言った。

やっぱり雅人は、大人だ。

焦らずに言うつもりだから。

俺なんか絶対焦るのに……

俺と雅人は、ある意味正反対かもしれない。

俺は、子供っぽくてムードメーカ見たいなもんで雅人は、しっかりしていて兄的存在。

そんな俺と雅人なのによく仲良くなれたな。

何かそう思うと関心するな。

でも、雅人ちゃんと言えるのか?

そこが心配なんだけど……

俺が一肌脱いで何とかしてやらないと。

「俺が一肌脱いで由梨を呼び出してやるよ」

「いや、それじゃ健斗に悪いし……」

雅人は、遠慮していた。

遠慮なんかするなよ。

俺だっていつもよくしてくれてる雅人のために何かしてやりたい。

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