私と兄の関係
ほんと、お兄ちゃんの事好きで仕方なかった……

私は、今でもあの事を覚えてるよ。

あの文化祭の日、お兄ちゃんと結ばれた日を……

お兄ちゃんと2人で約束した言葉も……

授業サボって制服デートした時も……

テスト頑張ったからってご褒美に買ってくれたアイスも……

最後、一緒にご飯を食べた時も……

最後、お兄ちゃんと2人乗りした時も……

全部、今になると思い出になる。

忘れたくない……これだけは……

お兄ちゃんが居た事も……

時間が段々、経っていく……

時間が止まって欲しいのに……

だっていつか忘れるんじゃないかと思うと……

私は、更に涙がいっぱいあふれた。

何で神様は、意地悪なのかな?

本当は、過去に戻りたい……

お兄ちゃんが居た時に……

あの日、私が後悔した日に……

こうなると分かってたらどこにも行かないのに……

そしたらまた、お兄ちゃんが隣に居てくれるのに……

そんな事、考えたくないのに1人になるとつい考えてしまう……

私は、今皆がそばに居てくれて幸せなはずなのに……

でも、お兄ちゃんが居ないとって考えてしまう……

私って贅沢なのかな?

欲張りなのかな?

でも、やっぱ苦しいよ……

開放したいよ……

もうお兄ちゃんの所に行きたいよ……

私は、そう思って屋上から飛び降りようとした。

その時―

「由梨ちゃん」

私の腕を誰かが掴んだ。

そっと私は、振り返った。

そこには、悲しそうな表情をした雅人君が居た。
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