私と兄の関係
「よっ、健斗」
雅人が俺に声をかけて来た。
「よっ、雅人。今日さ、嬉しい事あってさ。聞いてくれるか?」
俺は、今朝あった事を雅人に聞いてもらいたかった。
「おおってどうせ由梨ちゃんの事だろ。もしかして由梨ちゃんからどこか行こって誘われた? 当たりだろ?」
雅人が言った。
何で分かるんだよ。
俺ってもしかして分かりやすいのかな?
まっ、そんな事はいっか。
「そうそう。よく分かったな。今日、帰りに由梨と一緒にゲーセン行ってプリクラ撮りに行くんだ。しかも由梨から誘ってくれたんだぜ。すげぇ、嬉しくてさ」
俺は、はしゃいで雅人に言った。
「やっぱりな。健斗ってさ、たいてい機嫌良い時由梨ちゃんの話だもんな。そんなに由梨ちゃんの事が好きなんだな」
雅人は、俺の事よく分かってるな。
さすが俺の親友。
そう言えば、雅人ってあんまり自分の事話さないよな。
彼女とは、うまく行ってるのかな?
「なぁ、雅人。雅人って自分の話、あんまりしないよな。雅人は、彼女とどうなんだよ?」
俺は、気になって雅人に聞いて見た。
「ああ、そうだな・・・・・・彼女とは、うまく行ってなくて別れたんだ。昨日」
雅人は、元気なさそうに言った。
やっぱりショックだったんだろうな・・・・・・
雅人は、彼女の事すごい好きだったんだもんな。
「そっか・・・・・・今でもその彼女の事、好きか?」
「ああ・・・・・・」
雅人は、言った。
くそっ。
励ましたいのに何でうまく言えないんだよ、俺。
いつも雅人には、よくしてもらってるのに・・・・・・
だとしたら由梨がチャンス。
ここは、雅人にちょっとでも由梨の事を知ってもらいたい。
由梨の兄として由梨の力になりたい・・・・・・