私と兄の関係

「由梨、雅人を見るな~」

「本当に健斗は、由梨ちゃんばっかりだな~」

雅人君が言った。

「白井君」

女の子がお兄ちゃんの方に行った。

「何?」

「これ先生に渡してくれるかな?」

「分かった」

お兄ちゃんは、そう言ってそれを受け取った。

「ありがとね」

その女の子は、そう言って教室に入って行った。

あっ、お兄ちゃんと同じクラスの子だ。

もしかしてお兄ちゃんの好きな人ってあの子かな?

「由梨、ちょっとこれ先生に渡してくるな。あっ、くれぐれも雅人以外のやつと話すなよ」

お兄ちゃんは、そう言って去った。

でも、今お兄ちゃんが居ないしチャンスかも。

「あの雅人君は、彼女とか居るの?」

私は、雅人君に聞いた。

「居ないよ」

雅人君は、笑ってそう言った。

ヤッタ。

雅人君、彼女居ないんだ。

チャンスかも。

「だったら今度、一緒にどっか行きませんか?」

私は、勇気を出して言った。

「いいよ」

雅人君が言った。

ヤッタ。

雅人君とデート。

でも、お兄ちゃんにバレたら大変だな~。

「じゃあ、今度の日曜日でいい? 日曜日で公園の前で」

「はい」

私は、言った。

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