私と兄の関係
「そっか。気をつけて帰れよ」

『うん。じゃあーね』

由梨は、そう言って切った。

すると本屋の近くにある店から由梨と雅人が出て来た。

しかも2人で……

仲良さそうに……

由梨は、楽しそうに話していた。

もちろん雅人も。

なぁ、雅人。

由梨の事が好きになったか?

それならそれでいいけど、何で寄りによって由梨を好きになるんだよ?

いや、まだ雅人が由梨を好きって決まったわけじゃないけど何となくそんな気がする。

雅人にいつか言われるんだろうな。

由梨の事が好きって……

そしたら2人は、両思いで俺もう完璧終りじゃん。

最初から無理と分かってたのに何で期待ばかりするんだろうな?

もう期待何かしない。

どうせ俺には、何も望みがないのだから。

俺は、急いで由梨より早く家へ帰った。

俺は、適当にテレビを付けて見た。

「お兄ちゃん、ただいま」

由梨が帰って来た。

「本屋、楽しかった?」

俺は、わざとらしくそう由梨に聞いた。

「うん、まぁ……」

由梨が答えづらそうに言った。

俺だってこんな言い方したくないけど、ついしてしまう。

由梨と雅人が仲良くしてる所を見るとついイライラしてしまう。

自分の情けなさがよく分かるから。

「ふーん。そうなんだ。じゃあ、俺雅人とボーリングでも行くから」

俺は、そう言って雅人とボーリングへ行った。

俺は、夢中に投げた。

あまりピンが倒れなかった。

ああ、くそっ。

俺は、イラついてボールを投げ続けた。

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