私と兄の関係
ドサッ
私は、思い切り椅子に腰をかけた。
「由梨、もしかして怒ってる? それとも何かあった?」
若葉が心配して私に聞いて来た。
「ちょっとね」
私は、言った。
「もしかしてお兄ちゃんと何かあったの?」
若葉が言った。
「うん。お兄ちゃんたらこうでこうでね」
私は、さっきの出来事を若葉に言った。
若葉は、クスクス笑った。
「何、笑ってるの?」
「いやー、由梨って愛されてるなあって思って。お兄ちゃんに」
若葉が言った。
あれのどこが?
どう見ても束縛じゃん。
愛されてるとか思わないし。
「別に。ただの束縛なだけじゃん」
私は、言った。
「お兄ちゃんもきっと由梨のことが心配で仕方ないんだよ。だからお兄ちゃんにもちょっとは、優しくしてあげたらどうかな?」
私がお兄ちゃんに優しく?
無理無理。
だって私は、お兄ちゃんが嫌いなんだから。
私は、ずっとお兄ちゃんを恨んでいた。
お兄ちゃんのせいで彼氏が出来なかったから……
正直言って毎日が嫌だ。
お兄ちゃんに束縛されるのが……
私だって普通に恋をして男友達だって作りたいのに……
「無理無理」
私は、手を振りながら言った。
「お兄ちゃんに冷たくばっかりしてるとお兄ちゃんが可愛そうだよ。確かに由梨の気持ちも分かるけど……」
若葉が言いづらそうに言った。