私と兄の関係
「なぁ、健斗。機嫌悪いのか?」

隣で投げ続けている俺を心配して雅人が声かけて来た。

「別に」

俺は、そっけなく答えた。

「それならいいんだけど……まぁ、今日は俺のおごりだからいっぱい投げろよ」

雅人が言った。

何だよ……自分は、由梨とうまく行ってるからって。

俺は、そんな雅人に嫉妬してた。

ボーリングが終わったら家へ帰った。

ピンポーン……

インタンホーンを鳴らしたら由梨がすぐ出た。

「お兄ちゃん」

「雅人とボーリング行ったんだけど、楽しかったよな?」

俺は、言った。

本当は、楽しくなかったけど……

「おお、楽しかったよな。俺のおごりで」

雅人も俺の嘘に付き合ってくれている。

「へぇ~、そうなんだ。じゃあ、入って」

俺と雅人は、家に入って座った。

「何かジュースいる?」

「俺は、コーラ」

「じゃあ、俺もコーラにしようかな」

俺に続けて雅人が言った。

真似するなよ……本当は、コーラ嫌いなくせに……

由梨の前だからってカッコ付けて。

って俺、性格悪いな。

別に雅人が悪い訳じゃないのに……

何で素直に認めてやれないんだろうな。

「分かった。ちょっと待っててね」

由梨がジュースを汲んでる間、俺と雅人は無言だった。

いや、ちょっと気まずいし……

「はい、どうぞ」

由梨がジュースを置いた。

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