私と兄の関係
「何でお兄ちゃん、そんなに食べるの早いの?」

「だって由梨が作ったカツ丼、すげぇおいしかったんだもん。それに俺、あれぐらいならすぐ食べれるよ。由梨、絶対いい嫁さんになれるな」

私は、その言葉に顔が真っ赤になった。

お兄ちゃんたら大げさすぎ。

もっと料理上手な人、居るのに。

お兄ちゃんたらいつも嬉しい事ばかり言ってくれる。

私は、そんな優しいお兄ちゃんが大好きだよ。

「ありがと……」

私は、照れくさそうに言った。

「由梨の照れ屋ー。何ならもっと言ってあげよっか? 由梨は、いい嫁さんになれる。由梨は、いい嫁さんになれる。由梨は、いい嫁さんになれる。さすがに言い過ぎたか?」

お兄ちゃんは、何度も同じ事を言った。

お兄ちゃんのバカ。

そんな事言われると照れるじゃん。

「また、作ってな。俺、由梨が作ったものなら何でもいいや。嫌いな食べ物でも」

お兄ちゃんが言った。

お兄ちゃんは、ストレートすぎる。

でも、嬉しい。

「うん。じゃあ、また作ってあげるよ」

「本当? ヤッター!」

お兄ちゃんは、喜んでいた。

お兄ちゃんって本当に単純。

「そう言えば、お兄ちゃんって明日とかどっか行くの?」

私は、お兄ちゃんに聞いて見た。

「ちょっと陽介達と行くんだ」

“ちょっと”?

「ちょっとってどこに行くの?」

「ん、まぁカラオケとかな」

お兄ちゃんが言った。

カラオケかぁ……

いいなぁ……

私も行きたいな。

「ねぇ、誰々カラオケ行くの?」

私がそう聞くとお兄ちゃんは、黙っていた。

ねぇ、何かあるの?

お兄ちゃんが私に隠し事するってないのに……
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