私と兄の関係
「そんな否定しなくてもいいのに。へぇ~、好きな人居るんだ。その人とは、両思いなの?」

麗華さんは、笑いながら言った。

麗華さんって意外に気さくな人なんだ。

何か最初のイメージと違うなぁ。

最初は、失礼だけど軽いと思ってた。

でも、話しやすくて楽しいかも。

「えっ、両思いじゃないですよ。私の片思いです」

私は、言った。

「そっか。頑張ってね。あっ、そうだ。私、人の悩み聞くの好きなんだよね。だから何か悩んでたら気軽に私に相談して来て。はい、これ私の番号。由梨ちゃんのも教えてもらえる?」

人の悩み聞くのが好きなんだ。

ちょっと変ってるなぁ。

でも、悩んでる人の事考えてあげるとか優しい人なんだな。

私もこういうお姉さんが欲しいなぁ。

でも、麗華さんって私のお姉さん見たい。

だからお兄ちゃんにバレてよかった。

麗華さんと話せてちゃんと麗華さんの本性が見えて。

「あっ、はい。じゃあ、これ私の番号です」

私は、番号を書いた紙を渡した。

「ありがと。じゃあ、登録するね。由梨ちゃんって本当に可愛いね。何か私の妹見たい」

えっ、可愛い?

麗華さん、誉めすぎ。

麗華さんなんかすごい綺麗なのに……

なのにお兄ちゃん、断るとかもったいないなぁ~。

私、さっきまではあんなに嫌だったのにお兄ちゃんの好きな人が麗華さんだったらいいなぁって思う。

私、外見でよく決めちゃうからちゃんと中身も見ないと。

「ありがとうございます。麗華さんは、すごい綺麗ですね。私も麗華さんがお姉さん見たいで嬉しいです」

私は、言った。

「私達、さっきからずっと会話してるね。ありがと。由梨ちゃんにそう思われて嬉しい」

麗華さんが言った。

本当にずっと麗華さんと話している。

お兄ちゃん、遅いなぁ。

どうしたんだろう?
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