私と兄の関係
「お兄ちゃん、もう寝た?」

私は、お兄ちゃんに問いかけた。

「寝れる訳ないだろ。好きな人が隣に居るんだから……」

お兄ちゃんが言った。

えっ、好きな人?

お兄ちゃんの好きな人って私なの?

でも、確かお兄ちゃんの好きな人って同じクラスに居るんじゃ……

でも、考えて見たら思い当たる言葉がいくつかある。

“好きな人は、すごく近くに居る”

“好きな人のタイプは、髪が茶色でストレートで色白で小柄で可愛い子”

“好きな人は、誰かと行った”

お兄ちゃんが前、言った言葉。

あれは、全部私の事だったんだ……

なのに私は、全然気づかなくて雅人君雅人君ばかり言ってた。

私、無神経だったよね?

お兄ちゃんの気持ちを考えずに言ってた。

私、サイテーだ。

「いきなり言われたら困るよな……でも、それは本当の事だから。でも、由梨は雅人の事が好きなの知ってるから。それに雅人も言葉には、してないけど由梨の事が好きだよ。よかったな……だから、俺の事を気にせず雅人に自分の気持ち伝えろよ。あいつ、由梨と一緒で鈍感だから言わないと気づかないからさ」

お兄ちゃんが言った。

でも……

「俺に遠慮してたら後悔するぞ。それに俺、もう由梨の事諦めるから。だから俺が言った事、忘れて」

忘れるなんて無理だよ……

「忘れるなんて無理だよ……」

私は、言った。

「だから忘れろって。雅人、モテるから早くしないと取られるぞ。じゃあ、寝るな」

「ちょっ……」

お兄ちゃんは、すぐに寝た。

忘れるなんか無理だよ……絶対に……

私は、なかなか眠れなかった。

雅人君の事が好きなはずなのにお兄ちゃんの事ばっか気にしていた。

朝、起きたらお兄ちゃんが居た。

どうしよう……ちょっと気まずい……
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