私と兄の関係
「由梨、待たせてごめんな……麗華、由梨のそばに居てくれてありがとな。」

俺がそう言うと麗華は、「うん、いいよ」と言った。

由梨は、俺に足を出した。

俺は、手当てをした。

「お兄ちゃん、ありがとう」

由梨がニコッと笑って言った。

可愛いな……

こんな時までそう思う俺ってバカ?

俺は、照れてた。

そんな2人を見ていた麗華が突然言った。

「健斗の好きな人、分かっちゃった。由……」

俺は、麗華が言おうとした言葉が分かってたから手で口を塞いだ。

麗華は、分かったんだな。

そりゃー、分かるか。

「あっ、そうだ。私と健斗と由梨ちゃんの3人で映画見に行く?」

麗華が言った。

「いいです。私、用事あるんで先帰ります」

「ちょっ……」

由梨は、走って帰って行った。

もしかして俺に遠慮してる?

悪い事、したな。

「健斗の好きな人って由梨ちゃんでしょ? 健斗見てたらすぐ分かったよ。だって健斗、顔赤かったもん。由梨ちゃんと話したけど、話しやすくて可愛い子だね。健斗が好きな理由がよく分かる。だから私、応援するね。それに由梨ちゃんが帰ったのは、私達の事を気を遣ったんだね? 何か悪い事しちゃった……」

麗華が言った。

さすが麗華は、スナックの娘であるからよく人の事が分かってる。

俺ってやっぱ顔出てたかな?

気をつけないと。

由梨と話したんだな。

それに由梨の事を誉められると嬉しい。

自分じゃないのにな。

確かに俺と麗華の事を勘違いしてる。

由梨に言わないとな。

「うん、そうだろ。俺ってやっぱ顔出るんだ。大丈夫……麗華が悪いんじゃないよ。由梨は、そう言う事あまり気にしないし……」

俺は、言った。
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