【完】最強の男に寵愛された姫
ひとりでも笑えなくてもいいからあんなに息ができないほどの苦しい思いをしたくないと思った。
涙が何故か頬をつたった。
そんな時に隣に誰かが座ったんだ。
「僕ね、一人っ子なんだ。可愛い妹が欲しいんだけど、どの子も性格悪そうで君がなってくれる?」
ニコリと笑う私よりも大きいその男の子はさっき見た微笑んでいた男の子だった。
見た目に反して言うことを言っちゃう男の子は、手は差し出さず無理矢理手を握った。
「よろしくね?」
コテっと首をかしげて微笑んだ男の子はその時の私には本当に本当にヒーローのように思えた。