空色
はぁ、なんでこんな事になるんだろ
元はといえば和人のせいなんだからね。


私は40冊近くあるノートを持ちながら
ぶつぶつ文句を言って廊下を歩いてた。


後ろから愛しいけど今聞きたくない人の声が聞こえてきた

「優奈ー、お前ノートなんか持たされてなんか悪いことでもしたのか」

ケラケラ笑う彼が立っていた

「何もしてないよー!ただ…」

「ただ?」

和人の事考えてたなんて言えないし

「色々考え事しててボーッとしてたら怒られたのー」

「お前なんかあるとボーッとするよな」

笑いながら言う彼にムカついた
でもそうゆう細かいとこは気付いてるんだね…

「そんな事ないもん!」

「まぁまぁ、拗ねんなよ半分持ってやるからさ」

「ほんと!?ありがとうー!」

「やっぱ優奈は笑顔が一番だな」

「そ、そんな事ないし…」

「今照れただろ?」

「照れてなーい!」


そんなこと言わないでよ
変な期待しちゃうじゃんか…
和人はなんでそんなに優しいの?
誰にでも優しいの?
私だけだったらっていう期待してる自分がいる。
そんな自分に腹が立ってしまう…



< 10 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop